「大和さぁ、いい加減素直になって『スキだ』って言っちまえよ」

「っ……」

「ってか、3年も掛かってやっと手の届く距離になったつーのに、何お前、まだ我慢出来んの?どんだけドMなんだよ。マジ尊敬するわ」

「んなこと、健吾さんに言われなくても分かってるんすけど、本人目の前にすると、マジでテンパって……」

「はぁ、ったく、不器用な上にピュア過ぎんだろお前」


彼女対策を講じる為、健吾さんを呼びつけて居酒屋にいる。


「俺がどんだけお前に情報を提供してやってんのか、分かってんのか?」

「………すんません」

「ったく、志帆から情報得るのにどれだけヒヤヒヤしてんのか、お前分かってねぇーよ」

「うっ……」

「マジで俺の彼女、怒った目がハンパないくらい怖ぇーから」


健吾さんの彼女・相澤志帆は、早坂小町と並んでうちの会社の名物事務員。

『スーリールの狛犬(こまいぬ)』と言われている2人。

仕事中は無駄口を叩かず、常に会社に忠誠なのだ。

俺が健吾さんの後輩だと分かったと同時に、彼女があの相澤なんだと知った。

そして、俺はすぐさま彼女の事を話し、こうして協力して貰っている。

この3年の俺は、紺野部長と健吾さんに支えられていると言っても過言じゃない。



「ってかさぁ、何で大和は紹介を断固拒否すんだよ。俺が志帆を通して早坂を紹介したら簡単じゃね?」

「俺もそれは考えたんすけど、自力で惚れさせたいってのもあるし、何て言うか……運命みたいなもんを信じたいんすよねぇ」

「っんまぁ、お前の気持ちは分からなくはないけど、3年は長過ぎんだろ」

「まぁ、そうっすねぇ」


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