「なぁ」

「なっ、何ですか?」

「消すか、点けるか、どっちかにしねぇか?」

「っ……」


寝室のダブルベッドの上。

お互いに布団に潜り込んだまではいいが……。

私は極度の緊張でカチコチになっていた。


彼はこういう状況に慣れているのか、自分の頭を腕枕するようにして天井を眺めている。


そんな私達を照らすように、ダウンライトが点いているのだが。

このダウンライト、思った以上に怪しげな雰囲気を放っているのだ。


私はここぞとばかりに警戒して、ベッドの淵ギリギリのラインに身を置き、小動物のように身体を縮ませていた。


ダウンライトは、如何にも寝室の間接照明というような光を放ち、夜の密な時間を過ごすにはピッタリなのかもしれない。

ただ、今の私達には少し気が早いように思えてならない。


だからといって、消してしまえば真っ暗になるし、メインの照明を点けたら明る過ぎる。

……寝るに寝れない状況で時間だけが過ぎて去って行く。


初めて寝室に運ばれた時は確か、寝室のドアが少し開いていて、リビングの灯りが漏れていたし。

前回このベッドで寝た時は、それほど気にも留めてなかった。

だって、あの時は完全に体調が悪くて、記憶も曖昧なほど意識が朦朧としていた。


だけど、今日ばかりは……。


さすがに照明が煌々と点いてる中、彼の顔を眺めて寝るほど私は自分に自信がない。

だとすると、消去法で言えば“消す”しか選択肢は無い事になる。


「け、……消しますか?」


消え入りそうな震え気味の声で返答すると、


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