Aクラスとなってからは、バーグが担任である事とライル達に止められた事で、さぼる事なく真面目に授業を受けていたユイだったが、やはりと言うか長くは続かず、バーグの担当教科以外で抜け出していた。


 向かう先は、決まって図書室。

 今日もそこで本を開き、魔具の為に必要な構築式の研究に勤しんでいた。

 集中して読んでいたが、ふと集中が切れ、視線を上げると……。


「エル?」


 ユイが座る向かいの席には、いつの間にかフィリエルが座っていた。
 そして何故か、腕を組み仏頂面のフィリエルからは、ありありと不機嫌さが滲み出ていた。



「なんか怒ってる……?」

「分からないか?」


 そう言われて考えてみるも、とんと思いつかない。
 そもそも、婚約が決まり新学年が始まってからは、フィリエルに会ってすらいないのだ。


「全く」


 フィリエルは不機嫌な顔のまま、机に広げられていたユイの本をまとめて持つと、ユイの手を引いて図書室の奥にある王族専用の個室へと入っていく。



 フィリエルは本を机の上に乱雑に置くと、ソファーにユイを座られせ、隣を陣取った。





この作品のキーワード
王子  恋愛  一途  精霊  魔法  学園 

感想ノートに書き込むためには会員登録及びログインが必要です。