春休みに入り、セシルとカルロがカーティスの姓を選べるようになるまで僅かとなった。

 その為、最近のシェリナは始終機嫌が良さそうで、毎日嬉しそうに必要な物を揃え二人の部屋を整えている。


 つまり、行くなら機嫌の良い今しかない。


「ママ、ちょっと良い?」

「あら、ちょうど良かったわ。
 セシルのカーテンの色はどっちが良いと思う?」

「………そっちかな」

「やっぱりユイもそう思うわよね。
 ならこっちにしましょう」


 漸く二人と一緒に暮らせるようになるのが、よほど嬉しいのだろう。
 部屋の模様替えに没頭し、中々話に入れない。


「………ところで、何か用事?」


 漸く一段落したらしく、ユイの話を聞く態勢を取る。


「前々から話してた婚約したい人とね、ママに会ってもらいたいんだけど」

「勿論よ!あら………でも私だけ?
 レイスは良いのかしら」

「その件も兼ねて、ママと話がしたいの」


 それだけ言えば、話し合う内容はシェリナに伝わったようで、笑いを零し、了承してくれた。


 が、その前に一応言っておいた方が良い事がある。


「あの、その人の身分だけど………」

「確か貴族の方よね。
 大丈夫よ、ユイなら貴族の夫人でもやっていけるわ。
 私が出来ているんですもの」

「その人、王族なの」

「………………えっ?」


 シェリナはたっぷりの沈黙の後、突然耳が悪くなったように聞き返した。




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