「やっと終わった~」


 その日最後の授業が終わった瞬間、ユイは机の上に崩れ落ちた。
 隣に座るフィニーが苦笑を漏らす。


「お疲れ、でもまだ一日目だよ」

「もうやだ………」


 まさかここまで息苦しい所だったとは……。


 周囲からの視線もさることながら、やはりエリートが集まるAクラスだけあって、何ともクラス内の雰囲気がぴりぴりとしているのだ。

 ある程度仲の良い集まりが出来ているものの、やはりライバル関係という意識があるのか、和やかな雰囲気は皆無。

 そして休み時間の会話は必要最小限で、ほとんどが教科書を開いて勉強しているのだ。


 和気あいあいと休み時間にお喋りをしているユイ達の方が、このクラスでは浮いていた。


 心の底からHクラスのゆるさが懐かしい。

 Hクラスならば、休み時間に入った瞬間に大騒ぎだというのに、同じ学園でありながらこの差は何なのだろうか。


 魔法学園は入る事自体が難しく、例え下位のクラスであろうと、入れただけで優秀な人物であると言える。


 下位のクラスの者も、誰もが子供の頃から優秀だと、もてはやされていた者達だった。
 だが、小さな世界では飛び抜けて優秀でも、大きな世界ではその他大勢であっただけのこと。

 その事に気付いてしまった入学式。

 大きな絶望が襲った事だろう。
 だが、時間が経つにつれ、学園には入れたし、まっいっか、というように変化した為、存分に学園生活をエンジョイしているのだ。

 実際、下位のクラスであろうと、学園に入れれば、その後の就職先で困るような事は無い。


 諦めの境地に到った彼らと違い、まだ折れていないAクラスの人間はより高みを目指そうと必死なので、仕方が無いと言ったら仕方が無いのだが、あのゆるさを知っているユイには苦痛でしかなかった。




この作品のキーワード
王子  恋愛  一途  精霊  魔法  学園 

感想ノートに書き込むためには会員登録及びログインが必要です。