セシルとカルロがカーティス家で暮らし始めて僅かだが、今日もカーティス家には、まるで最初からそうであったかのように仲むつまじい家族の光景があった。


「なあ父さん、もう直ぐ誕生日だし、俺達欲しい物あるんだけどさ」

「何が欲しいのです?」

「魔具」

「まあ、いいでしょう。セシルは何です?」

「俺は物じゃなくて、頼み事かな」


 そう言って、セシルは手紙を二通レイスに手渡した。
 不思議そうにしながら手紙の内容を読むと、僅かに目を見開いた。


「もう準備は整ったのですか?」

「まあね。今度の夜会でお祖父ちゃんも出席するって言ってたし、ありんこ一匹逃がす道は無いよ」

「分かりました。これは私から渡しておきましょう。
 ただ……突然横からさらわれないように気を付けなさい」


  一瞬視線を横に向けるレイスに釣られるようにシェリナをちらりと見た後、セシルはにっこりと口角を上げる。


「その辺も抜かりは無いよ」



「あら、何かあるの?」


 話について行けていないシェリナにカルロが耳打ちする。


「憐れな子羊が外堀で囲まれちゃうって話だよ」

「あら、大変ね」




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