年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~

3



大逆転ね、としみじみと呟いて、瑞香が私が渡した缶ビールを煽る。


「三ヶ月前に一生ひとりぼっちの危機を味わったあんたが、今じゃ男二人に求愛されてどっちにしようか迷ってるわけか。
わんこ属性の可愛い年下美容師か、オオカミ風味のハイスペック営業マンか。いいねえ、いいわねえ、その二択。どっかにありそうだわ、そんな恋愛ゲーム」


ごくごく一気に飲み干して、ぷはっと気持ちよさそうに息を吐いた。おかわり、と遠慮なく差し出してくる手に、私が飲もうと開けたビールの缶を握らせる。

「こっちは真剣に話してるんだけど。茶化すのやめてくれる?」

「そんな話を茶化さずにどう聞けって言うの? どうせ私はもう枯れきった二児の母よ。そんなドキドキ、どっかに置いてきたわ」

あーアホくさ、と言い捨てて、ポテトチップスに手を伸ばす。コンビニで見つけて買った、期間限定のフレーバーだ。
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