年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
興味はあるけど聞いたらめんどくさそうかも、と曖昧な返事をしたのに、絵里ちゃんはそんなのお構いなしに話し始めた。

「実は、土曜日の花火大会、祥裄さんと行くことになったんです! 昨日やっと、いいよ、って言ってくれたんですよぉ。めげずに一ヶ月誘い続けてた甲斐があった! 
最近の祥裄さん、優しいんです。ご飯だって三回に一回は付き合ってくれるようになったし」

語尾にハートマークを飛ばしまくり、うふふふふ、と幸せそうに笑っている。

「今日、浴衣を新調しに行くんです! あ、沙羽先輩、白地にピンクの花柄と、黒地に紫と白の流水柄だったらどっちがいいと思いますか? やっぱり私にはピンクかなあと思うんですけど、祥裄さんは大人っぽい方が好きかなあ?」

「うーん、そうだねえ」

「昨日、すぐに下見に行ったんですけどね、一番に目が行ったのはやっぱりピンクでー。でも店員さんに勧められて黒も当ててみたら、意外と良かったんですよね。意外な一面というか、普段の私とは違う大人な私を演出、みたいな」

「うん、いいんじゃない?」

「でもやっぱりピンクも捨てがたいんですよね。ほら、私と言ったらピンク、ピンクと言ったら私じゃないですか。そっちも可愛かったんですよ、ウルサイ感じじゃなくて、淡い色合いで、おしとやかな可愛さ、みたいな?」

明らかに適当な私の相槌は聞こえているのかいないのか、絵里ちゃんはどっちの浴衣がどんなに可愛かったかを延々と話し続けている。まあ、私の意見なんか端から求めていないんだろうけどさ。
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