★★★★★
圧倒的。鋭い言葉が心を切り裂く。
とにかく、圧倒された、の一言。
青春時代を苦しみ抜いたある小説家の、正直すぎる告白。

極限まで綾を削ぎ落とした簡潔な言葉たちが、心に突き刺さる。


主人公の苦しみも痛みも悲しみも、ひどく客観的に描かれているのに、まるで自分のことのようなリアリティをもって感情が迫ってくる。

たった一つの傷から始まったトラウマが、こんなにも長い間、途切れることなく人を苦しめるのか、と青ざめるような思いがした。


読むと、痛い。とても苦しい。
でも、ぜひ読んでほしい。

青春のまっただなかにいる人にも、青春を終えた人にも。

深い自省の中から生み出された言葉たちを、ぜひ真正面から受け止めてほしい。

『私が生きる理由は、小説を書くため』という一文が重い。
書くことで命を繋いでいる小説家の吐き出した言葉たち。だからこんなにも心を切り裂くんだ。
汐見 夏衛
15/01/20 19:48

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