もう、誰も好きにならない。
それでも、謝れ。








自分の席に行き、机を持ち上げ、準備室に運び出す。







準備室までの道のりで、色んな生徒に悪口を言われ、嘲われた。







恥ずかしくて、情けなくて、悔しくて、悲しくて、辛くて。







準備室に着いた途端に、涙が溢れ出た。







誰もいない準備室。







教室に戻っても、どうせ教科書はない。 授業は受けられない。







心の中はズタスタで、ボロボロで。







ひとしきり泣きたかった。






1時間目はココでサボってしまえ。







持ってきた机をヤスリで擦りながら、号泣した。







取り替えるのだから、机にヤスリをかける必要はないのだけれど。







やっぱり、この悪口がいつまでも残っているのは嫌だったから。







机に涙の粒が零れ落ち、ヤスリをかけ辛くする。







それに苛立ち、更に涙が込み上げる。







「うぅ・・・・・・・」







歯を喰いしばって泣いたのは、人生で初めてかもしれない。
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