薔薇の夢をあなたに
6章　太陽の石
朝、目覚めた私は大広間におりた。
すでにみんな一斉に朝食をとり始めている








「おはよう、ジュリエット。」
私は大好きな魔法使いを見つけて駆け寄る。







「おはよう！レイ！」
隣があいているようで、ストンと腰を下ろす。









「昨日は眠れたかい？」
「おかげさまで。久しぶりによく眠れたと思う。」
「ふふ、それならよかった。」
そういうとレイは優しく前髪をなでてくれた。






「レイ様…？」ロゼットが不思議そうな顔をしている。
「姫様が今まで通りに接してほしいと。それに応えている。
」レイは大したことないというように、朝食を食べ始めた。








「まぁ、俺は遅かれ早かれ、こうなるとは思っていたけどな。…エリー、おかわりを頼む。」
デイヴィスはすごいスピードであらゆるものを口にかき込んでいた。






「あら、デイヴィスもロゼットも同じよ？今まで通りに接してちょうだい。」
「姫様？」驚いたような二人の声が重なる。






「ほら、その姫様って言うのも嫌。私にはちゃんと“ジュリエット”っていう名前があるの。急に敬語を使われるの本当に気持ち悪いんだから。」







私は立ち上がると、パンパンと手を打った。
ふいに静かになり、一座のみんなの視線が集まる。








「みんな！私には、今まで通り“普通に”接してね。これは王女命令よ。」
私は高らかに宣言した。
隣でレイがくすっと笑った。
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