魔恋奇譚~憧れカレと一緒に王国を救うため、魔法使いになりました
彼が痛みに耐えるように歯を食いしばった。私は真っ青になりながらも、ぐるぐると同じことを考えていた。
だって、私がやってるのは野々香に教えてもらったスマホのゲームで。これは夢で。絶対に夢で。
「おしゃべりの続きはあの世でやりな!」
そう言ったかと思うと、山賊たちが大刀を振り上げた。混乱と恐怖のあまり声も出せずにいる私を、勇飛くんが抱き上げた。
憧れの勇飛くんにお姫様だっこされてる……と思った瞬間、彼は私を抱えたまま崖から飛び降りた。
「えええええええーっ」
吹き荒れる風を全身に受け、お腹の底から突き上げるような恐怖に襲われる。
「大丈夫、俺を信じろ」
確かにそう彼の声が聞こえた気がする。けれど、次の瞬間には私たちは急な川の流れの中に落ちていた。
「ゴホッ」
落下の衝撃で息を吐いてしまい、反射的に水を飲んでしまった。もう苦しくて苦しくて何が何だかわからない。すぐに私の目の前は真っ暗になった……。
だって、私がやってるのは野々香に教えてもらったスマホのゲームで。これは夢で。絶対に夢で。
「おしゃべりの続きはあの世でやりな!」
そう言ったかと思うと、山賊たちが大刀を振り上げた。混乱と恐怖のあまり声も出せずにいる私を、勇飛くんが抱き上げた。
憧れの勇飛くんにお姫様だっこされてる……と思った瞬間、彼は私を抱えたまま崖から飛び降りた。
「えええええええーっ」
吹き荒れる風を全身に受け、お腹の底から突き上げるような恐怖に襲われる。
「大丈夫、俺を信じろ」
確かにそう彼の声が聞こえた気がする。けれど、次の瞬間には私たちは急な川の流れの中に落ちていた。
「ゴホッ」
落下の衝撃で息を吐いてしまい、反射的に水を飲んでしまった。もう苦しくて苦しくて何が何だかわからない。すぐに私の目の前は真っ暗になった……。