魔恋奇譚~憧れカレと一緒に王国を救うため、魔法使いになりました
「魔法図書館に行けば、古代魔法から現代魔法までいろいろな本が揃っているわ。ただ、誰も手入れしていないから、図書館はひどい状態だと思うけど」
「ありがとう。開館は何時から?」
「そんなもんないわよ。魔法使いしか使わないんだから」
「そっか、じゃ、今から行ってみる」

 私はミルクを飲み干して立ち上がった。マスター・クマゴンがあわててパンの残りを紙で包む。

「これを持って行きなさい。魔法を使うと本当に体力を消耗するんだから」
「そうなの。あ、うん、そうだね。ありがとう」

 不安そうなマスター・クマゴンに私はわざと元気な笑顔を向けた。

「じゃ、行ってきます!」
「気をつけて」

 私は小屋を出て歩き出そうとしたが、ピタリと足を止めて、またドアを開けた。マスター・クマゴンがやれやれといった調子で私を見る。

「今度は何か忘れ物?」
「うん、っていうか、魔法図書館ってどこにあるの?」

 マスター・クマゴンが派手にずっこける音が小屋に響いた。 
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