その笑顔に惹かれて
未来



***




「いつ来るんだっけ?」
「えっとね……あ、ちょっと待って…」

彼女の声が途切れて、それは捨てちゃってください、とか業者かなんかに言ってる声が聞こえた。
その後すぐに、ごめんね、と言って会話を再開させる。



「日曜日の…午後には行けると思うんだ」
「そっか」
「うん。何か必要なものとかある?」
「いや…つーか、来てから一緒に買いに行った方がいいだろ?」

にやける顔を声に出さないように気をつけながら、なるべく淡々と語る俺。



「そだね。じゃ、やっぱり早く行く」
「え?」
「和也にも早く会いたいし…うん、午前中に行けるように頑張る」

耳に直接流れ込んでくる、電話越しの可愛い告白に、彼女が好きで好きでたまらない俺が我慢なんてできるはずもなくて。



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