俺様上司は、極上の男!?




恋とは多大な労力がいる。
成就させるのも維持させるのも。
結果、壊れた後に残るのは使った労力分の疲労感。
そして、自分の手に何も残っていないという喪失感。

過ごした時間とそれらが比例するわけではないけれど、みみっちい私は裕太に費やした2年半を無駄にしたような気分になる。

何に対して無駄という感覚になるのだろう。
27歳、結婚を意識していたのだろうか。裕太と。

……そうなんだろうな。
無くして気付いたけれど、私は何の疑いもなく、いつか裕太と恋人から夫婦になれるのだと思っていた。

幻想だ。

綺麗な夢は、呆気なく終わった。
そして、私は疲労感と喪失感を消せないまま、何事もなく日々を過ごさなければならない。


「……ってことでいいのかな?太刀川サン」


私は一瞬沈んでいた意識を急浮上させる。
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