腹黒王子の取扱説明書
23、やっぱり腹黒 ー 麗奈side
「ナナちゃん。いや、麗奈ちゃん、もうこんな事にはならないから」

五十くらいの紳士が私に優しく声をかけてくる。

嘘……。

「園田さんが社長ー?」

思わず叫んでしまった。

開いた口が塞がらない。

会社の役員とは聞いていたけど、社長だったなんて……。

そう言えば、来客リストにあったジュピターの社長の名前……園田だった。

私って……ほんと間抜け。

全然気づかないなんて、なんて私は馬鹿なんだろう。

でも、園田さんはすごく気さくで社長だって思わなかったんだもん。

優しいおじ様って感じだったから、もっと顧問とかお気楽そうな役職だと思ってた。

いや、別に顧問の役職を悪く言ってる訳じゃないけど……。
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