無理矢理繋いだ赤い糸



「あ、そうだ……クリスマスにホテルで食事した時に着てたヤツ…アレがいいじゃん」

それは彼のお気に入りだったから、そんなの着て行くつもりかよ?って怒るかと思っていたのに。


様子を伺うようにして、いいの?って聞いたら、向けられたのは極上の笑顔。
思わずきゅん、としてしまうそれに息を呑むと、彼は鏡越しに私を見つめて、アレ沙希にすげぇ似合うし、と言われた。




ハイネックで首元でリボンを作るそのドレスは、微かに分かる程度のドット柄の、チュールレースの膝丈のワンピース。
肩から肩甲骨が少し出るくらいの、あまり露出の高くないところが彼の好みらしい。
(あくまでもパーティドレスとしては、っていう事で、普段は肩を出す事すら彼は嫌がるんだけど)




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