初恋も二度目なら
部長は、腕を組んで私の話を聞くと、「なるほど」と言った。

「つまりおまえは、結婚相談所に入会し」
「“ハッピー婚活所”は、婚活サークルと銘打ってますが」
「相手を紹介してもらってる、ということだな?」
「私は婚活パーティーの招待だけ受けるのと、婚活にちなんだ習い事をするセットを選んでいるので・・・。だから、1対1でお相手と会うアレンジはないですよ」
「ふーん。“婚活パーティー”って、結局“集団見合い”の言い方変えただけだろ」
「そんなことないですよ。とは言っても、私はまだ一度しかパーティーには行ったことがないんですけど。そのときは、お見合いと言うより、合コンみたいな雰囲気だった・・・」
「おまえ、見合いしたことあるのか」
「いえ、ないです・・・から、あくまでも私が思う、お見合いの雰囲気じゃあなかったってことですよ」

これで納得してくれたかしら。
部長って、結構屁理屈こねるタイプだから・・・。

「来週の金曜日に二度目の婚活パーティーに行くので、そのときのこと報告しましょうか?」
「いや、いい。それよかおまえは結婚したいのか」
「ご縁があれば」
「その程度の思いなのに、なんで婚活してるんだよ。そこんとこ、俺分かんねえ」
「う・・・。私はただ、真剣な恋愛がしたいだけです」
「あー、なるほど。結婚を視野に入れるくらいの思いがある、イコール真剣な恋愛だと、おまえは考えてるってことか」
「そ、そうですよ?」

不安な面持ちで、隣をチラッと見た私と目が合った部長は、私を安心させるようにニコッと微笑んだ。

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