クールな先輩の心を奪う方法

やっと離された唇。
だけど、保田さんは私を抱き締め離さない。

「…保田さん?」
「もう少し、このままで」

「…どうして、2人の時は、こんなに優しいんですか?
…どっちの保田さんが本当の保田さんなんですか?」

「どっちも、本当の俺だ。
佐々木を怒るのも、からかうのも、こうやって抱き締めるのも…

全て、佐々木を想ってしてる事だ」

「それって、どう言う…」
「本当は、お前の気持ちを聞く前から、とっくに心奪われてる」

「…⁈」

「…佐々木が、俺に初めて見せたあの笑顔に惚れた…こんな事初めてで、佐々木の気持ちを知ったら、尚更言えなくなって」

そう言った保田さんは、少し頬を染め、微笑んだ。

「…さっきの『好き』は、嘘じゃなかったんですか?」

「嘘じゃない…本当の気持ちだ。
俺は、佐々木が好きだよ」

どうしよう…嬉し過ぎて涙が止まらない。
< 40 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop