クールな先輩の心を奪う方法

★★★★

仕事が終わり、会社を出た私は、真っ直ぐ帰る気にならなくて、街中をブラブラしていた。

…そんな時、私の目の前に、話をしている美雨と聖を見つけた。

それを見た私の心は一気に苦しくなる。
…私は、聖が好きだ。
片思いなのは分かってる。
聖が美雨の事を好きな事も。

咄嗟に隠れた私は、2人をそっと見ていた。…何をやってるんだか。これじゃあ、ストーカーみたいじゃない。

私は溜息をつき、2人の傍を離れた。

「…梓?」
名前を呼ばれ、心臓が跳ねた。
…私はさも、今ここを通ったと言わんばかりの顔をして、振り返ると、少し驚いて見せた。

「…あ!安藤さん?どうしたんですか、こんなところで」

「…」

その問いに、聖は何も答えず、私を見つめる。

「…そ、そんなに見つめられたら、穴が空きますよ!」
そう言って、おどけて見せる。
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