本気の恋をしようじゃないか《加筆修正版》

小牧君とはこれといった約束はしていない。
ちらりと視線を移すとみんなとクリスマスの事で盛り上がっている。
もしかするとクリスマスは…例年通り家族とチキンとケーキを食べるかもしれない。
「私は・・・特にないよ。いつもの様に家族で過ごす」
そんな寂しい私のクリスマスに陽菜たちが自分たちの参加するイベントに一緒に行こうと誘ってくれたが
流石にハードルが高すぎるので気持ちだけで十分と辞退させてもらった。

その日の帰り、特に小牧君と一緒に帰る約束をしていなかった私は香織たちと帰ろう席をたちカバンに手をかけた時だった。
「香坂～～」
辻先生が私を呼んだ。この時間に私を呼ぶとなれば多分雑用のお願いだろう。
今日は何だか手伝う気になれなくて聞こえないふりをしたが・・・
「お～～い香坂～～香坂～～」
私が返事するま連呼する勢い。
「・・・・何でしょうか?」
仕方なく返事をすると、耳が聞こえなくなったのかと思ったと嫌みを言われた。
「用がないならわざわざ呼ばなくてもいいんじゃないんですか？」
冷たく返すといきなり私の前で手を合わせた。
「用ならあるある。頼む！手伝ってほしい事があるんだ。１時間…いや３０分だけでいい。手伝ってくれないか？」
「手伝いって何やるんですか？」
「冊子作り」
「え？冊子…ですか？」