本気の恋をしようじゃないか《加筆修正版》
「おーい!HRはじめるぞ!」
私は唇をかみしめたまま自席に座った。
すると先生と目があった。
多分先生は目の事を気にして私を見て安心したんだろうけど、今にも泣きそうな顔を見て顔を歪めた。
HRが終わると体育館で始業式があったのだがその間も私の頭の中は小牧君の事でいっぱいだった。
初めて告白された事、秘密の場所でのランチタイム。
待ち合わせの公園、初めてのデート。
初めてのキスと……あの日私の全てを捧げたクリスマス
どれも私にとっては幸せな出来事だった。
この先もずっとこの幸せは続くと思っていたのに。
何がいけなかったの?
気を使った事がいけなかったの。
何度も頭の中で自問自答を繰り返す。
こんなに苦しくなるなら恋なんかしない方がよかったのかな・・・


始業式が終わり教室に戻ると
香織たちが、帰りにカラオケに行こうと誘ってくれた。
多分今日はまともに小牧君とは話せないと思い香織の誘いを受けた。
思いっきり歌ってストレスを発散させたかったのだ。

今日は始業式のみだったのですぐに学校は終わり、香織たちとカラオケの話で盛り上がっていた。
カバンを持ってこのまま3人で教室を出ようと思った時だった。
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