本気の恋をしようじゃないか《加筆修正版》
衝撃と後悔・・・side 小牧
結局俺は冬休みの間、杏奈と連絡を取ることが出来なかった。
いや、連絡を拒んだと言った方がいいのかもしれない。
城田の言った事を完全に信じたわけじゃない。
暗がりだったがあの現場を見て、杏奈が男に向けた自然な笑顔が頭から離れられなかった。
笑顔くらいでって思うかもしれないが、杏奈の性格からしたら俺以外の男にあんな笑顔を見せるのは本当に心を許した相手だけだと思っているからだ。
だからショックというかムカつくというか、とにかくもう自分でもどうしていいのかわからなかった。
すぐに杏奈本人に聞けばいいもののタイミングも逃してしまい自暴自棄になってた。

だけどこんなにも杏奈の事で頭がいっぱいになるなんて思ってもいなかったし、正直ここまで人を好きになるなんて思ってもいなかった。
自分から連絡を絶っていたにも関わらず独占欲だけは増していた。
全く自分が情けないとんだヘタレだ。
でもそれが正解でない事もわかってる。
その証拠に今日から3学期だと言うのに物凄く憂鬱だ。
すごく会いたかったのに会うのが怖いのだ。

頭の中は、あの時連絡をしておけばこんな気持ちにならなかったかもしれない。
単なる勘違いだったかもしれない。
でも今さら後悔したところでどうなる訳でもない。
何とか笑顔で杏奈におはようと言える事を今日の目標にと考え俺は重い足を引きずるように登校した。
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