本気の恋をしようじゃないか《加筆修正版》
美和の方に視線を向けるとさっきから、うんとかそうなの?とか相槌ばかりだ。
一体何を話しているの?
「ねえ、小牧君と会ってみない?」
思いもしない提案に私は目を見開くが、浅野さんはにっこり笑った。
「だって、君たちって自然消滅なんでしょ?。思っている事も、言いたい事も何も言わずにただお互い逃げただけなんでしょ?」
「え?」
浅野さんの言う通りだ。
「だったら尚更、言いたい事思ってる事を相手にぶつけてみたら?真実が聞けるから」
真実?
私が見たものが真実じゃないとでも言いたげな言い方にあの時の記憶に不安が混じる。
その時だった。
美和の笑い声が聞こえた。
「あんたたちって全てにおいてタイミングわるすぎ~~、しかも幼稚と言うかさ。君も杏奈も……うん……まあそうだけどさ?」
タイミングが悪いってどういうこと?
浅野さんと話しているのに美和たちの会話が気になって、耳だけがダンボになっちゃってる。
そんな私の様子を見ていた浅野さんがフフッと笑った。
「だからそんなに気になるなら会ってみなよ。……っていうかあの感じだとたぶんー」
浅野さんが美和に視線を向ける。
「うん。わかった今から行くから多分20分くらいで着くかな……わかった。じゃあ」
え?じゃあって何?
スマホをもってニヤニヤ顔の美和が近付いてきた。
美和はスマホを私に返すと
「じゃあ、今から行くよ。航ちゃんもいい?」
私の返事なんか聞く気なしと言った感じで美和は誰よりも先に玄関に向かい靴を履いていた。

何がなんだかわからない私がその場で立ちつくしていた。
「ね?!言ったでしょ。なんとかなるって」
私は浅野さんに背中を押されながら玄関へと向った。
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