一つの願い事
1.初めてのひとり旅行



願い事??って、鶴の恩返し?
それも知らない外人さんにお礼にと言われても・・
大抵の人はジョークだろうと、笑ってごまかすかもごまかすべきか?
でも・・


「大丈夫です。今すぐ、言わなくてもいいんだよ。まぁ、
これでも飲みながら決めるといいよ」


空港に向かう途中、沢山の荷物を持っていた彼の荷物を手伝いしただけで・・
乗り便は違うが、同じ場所には変わりないからと親切にしたんだが、
お礼にと言われてもおしるこまで貰ってしまった。


「どうもテンキュ~。あの願い事って・・オレ幸兄ちゃんのようにデカ、いや大きくなりたいんです!!」
「アニキのように?!大きくですか?」


思わず大声を出したせいか、50代前後の外人さんはニコリと笑いながら
オレの頭を”いい子だね~”と感じでなでてきた。
そう・・まるでオレの事を”小さな子供”のように感じ取っていたんだ。


「急がなくても大きくなりますよ。それに・・君はまだ中学生でしょ?」


”やっぱり・・・見られていたんだ”



149cmと言う、この小さい体格のせいでオレは中学生にみられているんだ。
たま~に小六にも見られるんだがね。






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