ツンデレ専務と恋人協定
新しい秘書にヤキモチ
会社を出て駅へと向かっていると、目の前に高級車が停まった。

その高級車の窓が開き、常務が顔を覗かした。


「里田栞奈さん、家まで送りますよ」


優しい笑顔でそう言われるけど、いきなりすぎて戸惑いを隠せない。

だって、常務となんて全く接点がなかったし、話したこともない。

それなのにどうして私のことを知ってるの?


「あの、近いので大丈夫です。ありがとうございます」


私はとりあえず無難な言葉で断った。


「心配しなくても誘拐したりしないから。もうすぐ雨が降りだすから乗っていった方がいいと思うよ」


誘拐されるとは思っていないけど、警戒はするよ。

それに雨なんて降る気配なさそうだけど。

朝から見たニュースの天気予報も雨が降るなんて一言も言っていなかった。


「本当に大丈夫です」


もう一度断って、歩き出そうとしたらいきなり雨が降り始めた。

それも夕立かと思うような大粒の雨で一気に私を濡らしていく。


「早く乗って!李人のことで話したいこともあるから」

常務は車からおりてきてそう言うと、助手席のドアを開けた。


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