【Is this LOVE?・灯里view】


 とある秋晴れののどかな日曜日。我が家には狩野さんと彼氏の三沢さんが遊びに来ていた。

 狩野さんはともかく、三沢さんの目的は当然社長だ。年齢がほぼ変わらないのに結城コンツェルンの跡取として活躍している社長に、彼はずいぶんと心酔してるらしい。

「社長!今月の日経ビジネス読みましたよ!凄いですね、結城コンツェルン事業拡大!自動車メーカーにも参入するだなんて」

 狩野さんとお茶を飲んでファッション雑誌を眺めていた私は、隣で話している彼らの話題を耳にして、ちょっと驚いてしまった。

 ビジネスだの経済だのには全然詳しくないけれど、そのニュースはちょっと意外だと思う。だって自動車メーカーって世界各国とのつながりも相当強いし、おいそれと新規参入してやっていけるような業界では無いイメージだ。

 いくら結城とはいえ、そんな無謀なビジネスに手を広げるだなんて。きっと私だけでなく、多くの人がそう感じた事だろう。

 けれど、社長はクッションを枕にして寝そべりながら興味無さそうに答える。

「昔っから決まってた事だからな」

 庶民が驚くような話にも飄々としているのはいつもの事だけど……なんだろう、どことなくその様子はつまらなさそうにも見えた。

「やっぱりそういうものなんですね!結城が勝算のない賭けに出る訳ないもんなあ。もう大手メーカーと提携が決まってるとか?」

 三沢さんもやはり自動車メーカーへの参入を不思議に思っていたのか、社長の答えを聞いて納得した様子で深く頷く。

 けれど社長は変わらずつまらなさそうな顔でチラリと三沢さんの方を見ると

「アサギがうちの傘下になるんだよ」

そこにいる全員が目を瞠る発言を零した。
 

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御曹司  同居  強引  気弱  社長  ワープア  地味  幼ななじみ 

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