もう一つのダイヤモンド

引っ越し

その週末には、私の引っ越し先の物件を見に行った。

隼人さんはいそがしいだろうと思ったので遠慮はしたけれど、

「うちの家具の預け先だし、いっしょにすむ部屋だし。」

といっしょに来てくれた。

土曜日に詰め込んで、3件の不動産屋を回ったけれど、予約していた以外の似たような物件の資料も出してくれた。

そして、
「ご夫婦ですか?」
「ご夫婦で住むなら…」
「新婚さんにお薦めは…」

どこでも、同じようなことを言われ、毎度毎度赤面する私。

結局、隼人さんが説明してくれた。

隼人さんは一度目は、ちょっとだけ赤くなり、二度目は苦笑い、三度目は、もう本当にさらっと流していた。


< 26 / 70 >

この作品をシェア

pagetop