空と君との間には
4章 限りなくグレーに近い

1話 ボディーガードは65Aカップの……

紗世がスマホから警察に電話を入れる。

駆けつけた警官に事情を話し、帰途に着いたのは22時過ぎだった。

紗世の運転で、結城のマンション駐車場に着いたが、結城は1人歩ける状態ではない。

結城が「姉貴に」とスマホを取り出し、電話をかける。


結城は姉を待つ間、紗世に「1人暮だろ? 今から帰って食事も大変だろうし、さっきのこともある。心配だ」と言う。


電話を受け、急ぎ駐車場に駆けつけた結城の姉。

紗世は結城が話した通り、結城の姉が男装の麗人のようだと思う。


「ったく、情けないわね。あなたが紗世さんね。ごめんなさいね」

結城を軽々と両腕に抱える。


「御託はいい。……麻生をこんな時間に1人帰すわけにはいかないから」


「結城さん、いいですよ」


「バカか、襲撃された後だ。帰せるわけないだろ!?」

姉に抱えられたまま、結城は紗世に言う。
< 133 / 312 >

この作品をシェア

pagetop