「どうした、眠れなかったのか? 目が真っ赤だぞ」


結城が出社した紗世の顔を覗きこむ。


「おはようございます」

紗世は結城と目を合わさない。


「麻生……」

結城は紗世の様子が気になりながら、出かける用意をする。


「麻生くん、ちょっと」

編集長の渡部が紗世を呼ぶ。

紗世は「はい」と明るく返事をし、渡部の席に近づいていく。


「麻生くん、これを広報部の小今田部長に届けてきて」


「小今田部長ですね」


「うん、西村先生の新刊に関する書類」


「はい」


渡部は紗世に茶封筒を言付け席を外す。

紗世は渡部から預かった茶封筒を大事そうに、胸に抱え、結城の側を横切る。

――麻生!? 避けられている

結城が素早く紗世の肩に手をかける。

「麻生、ちょっと待て。そんな腫れた目で古巣に行ったら……こっち来い」



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