ご近所さん的恋事情
焼き鳥屋にて
白いシーツの上に横たわる永瀬瑠璃子(ながせるりこ)を萱森渉(かやもりわたる)は見下ろした。


「その顔、そそるね」


「もう…無理…」


瑠璃子は渉の首に腕を回した。

上から攻め、下から攻め、前から攻め、後ろからも渉は休むことなくにひたすら攻めた。そして、最後の攻めは上からだ。攻撃されるだけの瑠璃子は何度も意識を手放しそうになっていた。

何年もご無沙汰だった人肌を思う存分感じた。


「あはは、瑠璃子さん、すごい汗だよ」


最中に笑う余裕のある渉を瑠璃子は余裕のない顔で見つめる。

渉はそんな瑠璃子の耳たぶをそっと噛む。瑠璃子は回した腕の力を強めた。これが合図となり、渉の動きを早めた。

瑠璃子は悩ましい声を上げて、力を落とす。



全身運動の疲れですやすや眠る瑠璃子の髪を渉は優しく撫で、頬にキスをする。

そして、出会ったときの瑠璃子を思い出す。
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