元カレ



結局、モヤモヤしたまま放課後になった。


丸川亮とは目を合わす事も話す事もないまま……。



下駄箱で靴を履き替えて、玄関を出ると。


「えっ……」

校門の所に見覚えのある人影が見えて、急いで駆け寄った。



「村田くんっ!どうしてここに……」


「玲奈ちゃん」



何で村田くんがここに?



「丸川くんと、話をしようと思って……。決着をつけるのは、早い方がいいと思って」


「確かにそうだけど……」



本当にいいのかな。
村田くんに任せちゃって。



「どうしたの?浮かない顔して……今日、何かされた?」


「う、ううん。何もされてない……あの、村田くん。私……今まで散々丸川亮を犯人と決めつけて、許せないとか言っちゃったけど……でも、もしかしたらっ」



犯人じゃないかも、と最後まで言う前に「玲奈ちゃん!」と名前を呼ばれ腕を引かれ、気づいた時には村田くんの腕の中にいた。


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