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『お前がさみしくて不安だと、俺も同調する』
早瀬さんの言葉を思い出すと、胸がいっぱいになる。
早瀬さんはどちらか、ではなくて、仕事もわたしも大事にしてくれる。
からかわれたけど、やっぱりこの鍵を何度も見つめてしまう。
彼の想いが本当に嬉しいの――


鍵をもらってから二週間。使ってみようとついに週末、わたしは早瀬さんのマンションにやってきた。
スーパーでお鍋の食材を買い込んで。
キッチンを使っていいか聞くと、好きに使っていいと言われたから遠慮なく使おうと思う。

早瀬さんは残業で帰りが20時頃と言っていた。わたしも少しだけ残業をして、会社を出て買い物をしてマンションの近くで時計を確認したら19時半を過ぎていた。
スーパーに結構時間を使ったみたい。
色々と気合いが入ってしまったのだ。彼の部屋のキッチンを使って料理をするなんて、はじめてだし。

どきどきしながら早瀬さんの部屋に入った。
いつもは早瀬さんとふたりでいる空間が、今はひとり。
静かな部屋を見渡したあと、ソファーに自分の荷物を置いてからキッチンに向かい、スーパーの袋を冷蔵庫の前に置いた。
そして、もうなにかしら自分の着替えを置いてあるのがあたり前になっている寝室でトレーナーとジーンズに着替えたわたしは、キッチン台の前に立った。

「よし」

ひとり呟き、腕捲りをして作業にとりかかる。

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