一夜の過ち・・・からの恋
素直に好きです


同じ部内に居るのに目も合わせてくれない
あれから3日がたった。


「小林!
この前頼んでた発注してくれてるよな?」


発注???


あっ・・・あー!!!


あの日あの時
銀行から戻ってからすぐ
『お茶でも飲んで落ち着いたら
発注頼むわ!』って言われてた。


「製作部の方からまだ生地が届かないと
言われたんだが大丈夫なのか?」


「大丈夫じゃないです・・・」


「どういう事かね?」


「すみません」


「すみません?
まさか発注してないのか?」


「申し訳ありません」


「申し訳ありませんじゃないぞ!!!」


碓井部長の激怒の声が響きわたる。


「最近お前は!ボーとしてるから!
どーするんだよ!
明日から縫製に入るって言うのに!
お前が直に向こうへ行ってもらってこい!」


「わかりました!」


「小林さん乗せていこうか?」


みんなが『何やってんだよ』
的な目で見るなか
鈴木さんだけが親切に言ってくれた。


そう・・・注文先は
ここから電車に乗って
片道一時間かなり遠いのだ。








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