俺様副社長に捕まりました。

真意

「桐山専務ご無沙汰しております。安藤専務・・・その節はいろいろと・・・・出過ぎた真似を
してしまって・・・・」
深々と頭を下げた。
「いやいや・・・出過ぎたなんて事は・・・それよりも君や副社長のお陰で娘とのわだかまりが消えて・・・
本当にありがとう」
安藤専務が頭を下げた。
「頭を上げてください」
あたふたする私に水沢さんがよかったなと微笑んでいた・・・・だが
会長との間にある重い雰囲気が消えたわけではない。
このままだとやっぱり私たちは別れなければいけないのかもしれない。
専務たちに会えたことは嬉しいけど
この状況を楽しむ余裕などなかった。


すると桐山専務が会長の前に立ち軽く会釈をした。
「会長には申し訳なかったのですが・・・・お話を聞かせてもらいました」
「そうか・・・このめでたい場所で醜態を見せてしまったな。申し訳ない・・・
孫がとんでもないことをいうもんだから・・・」
会長は肩をクイッと上げながら苦笑いをした。
だが桐山専務に笑顔はなかった。
「そのことで私から一言言わせていただきたいことがあります」
「な・・・なんだ？」
そして桐山専務は私を見るとニコッこ笑った。
その笑顔にどう答えていいのか分からず戸惑っていると安藤専務がすっと横に立った。
「心配いらんよ。うまくいくはずだから」
え？どういうこと？水沢さんを見るとあんなに会長にぴしゃりと言われたのにも関わらず
自信たっぷりの表情で会長の方を見ていた。

もしかして
手をうってあるっていうのは・・・・・・
この２人に協力してもらうってこと？