俺様副社長に捕まりました。

これも家政婦の仕事?

私の休みは土日が休みなのだが場合によっては土曜日も
仕事を頼まれることがあるし逆に出張などで水沢さんが不在の場合は平日でも休みになる場合がある。
今日はその不在の日で急遽休みになった。
そんな時出張等に同行しない副社長の秘書であり私の親友の未来から
ランチの誘いがあり今、私は久しぶりに未来と会っている。
私が秘書から家政婦になった事を未来は知っているが副社長である水沢さんのお宅を
担当していることは竹原家政婦紹介所の規約に反するため
教えていはいない。
「で・・・どうなの?家政婦って仕事は」
「うん、思ったより楽しい」
「秘書やってた時よりも?」
家政婦という仕事が相当珍しかったのか未来は好奇心むき出しで
質問を投げ掛けた。
「・・・そうかも。担当するお客さんと顔を合わすことがないから
自分のペースで仕事ができるし、ほら、私って元々料理とか掃除とか好きでしょ~
結婚するまでは続けたいな~って。とは言っても当分予定ないけどね。アハハハ」
「桃・・・」
未来はきっとまだ私が失恋から立ち直ってないと思っているのかもしれない。
会社を辞めた理由は裕人の事があったからなんだけど
家政婦になってから不思議と裕人の事を思い出す事はなくなった。
特別忙しいわけじゃないし、好きな人ができたわけじゃないけど
いつの間にか過去の事となってあの時のように胸が引き裂かれるような
思いをしていない。
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