不機嫌な君

病んだ先…

…血だらけのスーツのまま、私は手術室の前にある椅子に座り、両手を握りしめ泣いていた。

…こうなったのは全部私のせい。

…神様お願いします。どうか、金崎部長を助けて。

…金崎部長がまた、元気になってくれるなら、なんだってするから。

…金崎部長から離れろというなら、そうするから、どうか、命だけは奪わないで。

「島谷!!」
私の名を呼び、駆け寄って来たのは、圭介さん。…それに数歩遅れて、葉月さんがいた。

「…」
私は何も言えず、葉月さんに手を伸ばす。葉月さんは、私の手を手繰り寄せ抱き締めた。

「…大丈夫、大丈夫よ!金崎部長は必ず助かるから!」
何度も何度も私に言い聞かせる。私は、それに、何度も何度も頷いた。



…手術室のライトが消えた。
…金崎部長。…私は、手術室から出てきた医師に駆け寄った。
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