課長さんはイジワル2
「い、いった……い……」

ダグアウトもスタンドもシ~ンと静まり返る。

右足を押さえて倒れこんでいる私の元に、前を走っていたはずの課長が戻ってくる。

「杉原!大丈夫か!?」

課長の顔が霞んでて良く見えない……。

「杉原さん!」

「杉原~!」

「どうしたんだよ?」

「愛ちゃ~ん!」


ああ……。

やっぱり、足、ダメだったか……。

みんなの声が

意識が


遠のいていく……。



でも、やったぁ……。

佐久間課長、うっかりとは言え、ついに私の名前、呼んでくれたよね……。


びっくりしたけど、結構、嬉しい……

これで、私も一人前?


私を抱きかかえて心配そうに覗き込むアクマ課長の顔を冥土の土産に、意識の闇に落ちていく……。



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