Ri.Night Ⅰ 【全完結】
2. 喧嘩


……なに?



爆笑男は何かを言いかけて突然喋るのを止めたかと思えば、何かを探るように首を傾げ、顔を歪めている。


ほんと、この人何したいのだろう。



そう思った時だった。

あたしの耳にある音が入ってきたのは。



……これってもしかして、バイクのエンジン音?しかもかなりの数。



「チッ」

「チッ」


「は?」



耳を澄ましていると、いきなり聞こえてきた舌打ち。しかも二人から。



ちょ、何!?舌打ちの意味が分かんないんですけど!

なんで今舌打ちしたの!?



そんなツッコミをしている間に、さっきまで小さかったエンジン音がハッキリと聞こえるぐらい大きくなっていた。


その音はさっきの推測通り、数台どころでは済まされない数。


というかこのバイク音、こっちへ向かって来ているような気がするのはあたしの気のせい?


……いや、気のせいなんかじゃない。



「げっ」



右を振り向くと、爆音と共に姿を現したのは数十台のバイク達で。



「嘘でしょ……?」



なんと、左方からも同様にバイク音が聞こえてきた。


あ、ありえないんですけど!!
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