2人だけの秘密。
君とのウワサ


******



その日、また修史さんの夢を見た。

修史さんと現実で初めて会ってから、夢に修史さんが出てくるのは初めてだ。

あたしが夢の中でご飯を作っていると、修史さんがそこに遣って来て言った。



「鏡子、」

「!」

「何作ってるの?」



そう言って、あたしの手元を覗き込む。

あたしはそんな修史さんに、手元の食材を隠しながら言った。



「見ちゃだめー。出来るまでのお楽しみなんだから、」

「ちぇー、つまんないの」



修史さんはあたしの言葉にそう言って口を膨らませると、

あたしがいるキッチンを後にしようとする。

でも何かを思い出したようにすぐに振り向くと…



「…あ、鏡子」

「うん?」

「愛してるよ」



いつものように優しい口調でそう言って、ニッコリ笑った。



「どうしたの突然、」



一方、そう言われたあたしは照れたようにそう言って笑うけど、

内心はその言葉が物凄くうれしくて。

たくさんの愛をくれる君に、今日はあたしからキスをした。



「…あたしも」

「!」

「あたしも、修史さんのこと…愛してるよ」


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