外に出ると、空はきれいな茜色に染まっていた。


西にある太陽は、これから訪れる夜の気配を強調するかのように燃えている。



「いつまで笑ってんのよ」



帰路に着いた思葉は、歩きながらいきなり吹き出す來世を小突いた。


富美子の家にいる間から、來世は笑いやんだかと思ったらまた思い出して笑うを繰り返している。


傍から見ればただの変質者だ。


もしここに思葉がいなかったら絶対に通報されている。


3歳くらいの女の子の手を引いてUターンする若い女性を見て思葉は確信した。



「だって、傑作だったじゃねえかあれ。


あんだけドヤ顔で紹介してたくせに贋作だってバレた途端すぐにとんずらしたんだぜ?


しかも前来た奴みたいにおかしな弁解とか全くしないでよ」




話している間も來世は笑いを頑張って噛み殺していた。


昔から來世は笑い症なところがあり、思葉はそれを傍で見ていると感じていたおかしさがなくなっていくことがよくある。


あの古美術商のこともさっきまでは面白いと感じていたけれど、今は笑いすらこみあげないくらいくだらないことだとしか思えなくなっていた。




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