(何だったんだろう、今の……)



思葉は首をひねりながら暖簾をくぐって戸を閉め、すぐ脇にある急な階段をのぼる。


立ち止まり少し迷ってから、収納棚にしまわれていた横置き一段の刀掛けを出して一番隅にある自分の部屋に入った。


床は畳だが布団はベッド。


小さな桐箪笥の隣には本棚になっているカラーボックスがあり、学習机の脇には全身鏡。


中央にあるのはクリーム色のカーペットと背の低いテーブル。


見事に和洋折衷だらけの部屋だ。


何となく家具を集めてみて、気がついたらこうなっていたのである。


思葉は鞄をベッドに放り、持ってきた刀掛けに太刀を置いた。


その前に座り、腕を組んでじっと見つめる。


どこからどう見ても、ただ古いだけでなんの変哲もない太刀だ。


けれど思葉が柄に触ろうとしたとき、確かに『触るな』と声が聴こえた。


若い男の声だったから、あの十二単を纏った女性は恐らく関係ない。


じゃあ、誰が発したものだろうか。


あんなにも声がはっきり聴こえたのは初めてだ。




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