【完】狂犬チワワ的彼氏


拓海 side



「ありがとうございましたー」



妃由とカフェで別れたあと、俺は薬局に寄ってから家に帰った。

買ったのは、電話で智輝に頼まれた“冷やすもの”。

何が起こったのか知らないけど、さっき電話で智輝から、



“女に殴られた。何か冷やすもの買ってこい”



と言われ、めんどくさいながらも薬局に寄って…今に至る。

でも別に、智輝が女に殴られるなんて珍しいことじゃないし、むしろ「またか」って感じ。


俺は見慣れた帰り道を辿ると、ようやく見えて来た家に近づいた。



でも、



「…?」



その時、玄関のドアにある郵便受けに、一通の手紙が入っているのが目に飛び込んできた。


…何だこれ。


そう思って見てみると、あて先は「木塚拓海」って俺の名前になってるけれど…差出人は書いてない。

薄いピンクの封筒だから、たぶん女だろう。めんどくせー。


俺はそう思いつつも、一応その手紙を持って家の中に入った。





しかし…これから先、



また新たな試練が、




俺と妃由の目の前に待ち構えているとは知らずに…。


< 213 / 315 >

この作品をシェア

pagetop