妃由 side



夏休みが明けて、約一か月後。


あれから、拓海くんとは特に何もなく順調で、

直樹とも最初は少し気まずかったけれど、直樹がいつも通りに接してくれて、しばらくは楽しい毎日を過ごしていた。


でも、そんなある日。


いつものように、家に帰ろうとしていた放課後の生徒玄関で…

あたしが靴を履きかえている時。

一緒にいた拓海くんに、「どこか寄り道しない?」って言おうとしたら、

拓海くんは何故かあたしの声そっちのけで、ロッカーの中にある“何か”を見つめていた。



「…?」



何を見ているのかはわからないけれど…っていうかそもそも、ロッカーの扉が邪魔をして全く見えない。



「拓海くん?」



どうしたの?


あまりにも不自然にロッカーの前で固まってしまっているから、あたしは靴を履きかえた直後に拓海くんの傍に行くと、

拓海くんはそんなあたしの存在に我に返って、慌ててロッカーの扉を閉めた。



「!!っ、何でもない!」

「?」

「さっさと帰るぞ、」



そしてそう言うと、まるで何事もなかったかのようにスタスタと生徒玄関を後にしていく。



「あ、ちょ、待ってよ~」

「…」


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イケメン  ナルシスト  毒舌  チャラ男  真面目 

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