【完】狂犬チワワ的彼氏


でもそのメールの内容を見ても、俺には何が何だか全くわからない。

っつかそもそも相手の名前、“直樹”になってるし。

直樹って誰だよ。


もしかして、間違いメールか?


俺はそう思うと、妃由宛に返信メールを打った。



“メール送る相手、間違ってるぞ”



と、顔文字や絵文字一切なしでそう打って、それを送信する。

そして俺は携帯を閉じると、アクビを一つして目を瞑った。


…こうしてたらそのうち寝れるだろ。


………しかし。


そう思ったその直後、閉じたばかりの携帯がまた音を立ててメールを受信した。


うるせー


そのメールの音に少しイラつきながらまた携帯を開くと、相手はもちろん妃由で。

そこには…



“えっ嘘!!うわ、ごめんね!おやすみ~ヾ(´ー`)ノ”



意外にもあっさりとした言葉で、そう書かれてあった。


……やっぱりコイツ、ドジなんだな。

俺の返信メールを見て、慌てる妃由の様子が目に浮かぶ。

俺はそのメールを見ると、何も返信メールを打たずに携帯を閉じた。


……でも、



「……」



何だかやっぱり少し気になって、俺は少し乱暴に携帯をまた手に取ると、メールを作る。

……こんなの、柄じゃないけど。



“おやすみ”



たまには、いいか。


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