満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜

麻衣子の真実



夕食が終わり、康太は仕事を少しすると言って部屋へ。
私は片付けをしていた。


ピンポーン


インターホンが鳴る
ん?
こんな時間に誰?

そう思いながら玄関へ行くけど
ちょっと怖くて開けられない…

「遅くに申し訳ありません。結衣様、桜田です」

その声に安心して
ドアを開けると
いつもスーツ姿にピシッとしている
桜田さんと違って

私服にメガネをかけ
髪の毛もお風呂に入ったであろう
無造作な髪型

ギャップありすぎて固まってしまった。


「結衣様?」


『……あ、ごめんなさい。いつもと違ったから…』


そうでしたねっと笑って

「若はいらっしゃいますか?」

『今、部屋にいます。どうぞ上がってください』

「それでは、失礼いたします」


私は康太の部屋へ向かい
康太に桜田さんが来たことを伝えた。


キッチンに戻り紅茶を入れる。

『夜、眠れなくなったら困りますので、紅茶にしました』

「お心遣い感謝します」

桜田さんは紅茶を口にする。

「若との生活はどうですか?」

『……安心します』

「そうですか」

にこやかに見てくる桜田さん

「結衣様…若をよろしくお願いします」

『え!いや、やめてください!』

桜田さんが頭を下げているのを見て慌ててしまう

「結衣様なら…きっと…」

きっと?


「桜田」

康太の不機嫌な声。
これ以上は話すなと言わんばかり。


「申し訳ありません…先ほど依頼されました資料です」

そう言って封筒を康太に渡している
先程……
もしかして…麻衣子の情報?


「私はこれで……」

そう言って桜田さんは部屋を後にした。

何が書いているんだろう
気になるけど
私が見てはいけないもの。

康太が目を通していると
康太の携帯が鳴る。
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