ホテルで慌ただしく抱き合った後、山積

みの仕事に追われ2人きりの甘い夜を過

ごせていない。


だが、峯岸の目を盗み、目の前にいる愛

しい女にキスをしている時間が俺に英気

をくれる。


触れるだけのつもりのキスも彼女の唇に

触れると媚薬のように俺を惑わす。


もっと…

もっと欲しくなり啄むだけと誓っても

それでは足りなくて、舌を絡めて熱のこ

もったキスをしてしまう。


ここが会社じゃなければ…

彼女と愛し合うのに……


そんな日々が一週間続き月曜の朝峯岸か

らの報告に嬉々した。


「副社長‥大和社長の尻尾をつかみまし

た」


「本当か⁈」


峯岸が社内のスパイを見つけ、業者との

裏取引の証拠をつかんだようだ。


「えぇ、池上社長のおかげですね」


「で‥スパイは⁈」


「はい…営業部長でした。池上社長が業

者中に密告があったとふれ回ったおかげ

で助けを求めてゲロったようですよ」


「どうして大和に助けを求めなかったん

だ⁈」


「それは、池上社長が先に根回ししたか

らでしょう。大和社長は、社長職にしが

みつく為に彼らを切ったんですね。だか

ら頼みの綱は池上社長しかいなかった」


「フッ…頼みの綱にはめられたのにな」


「大和会長には⁈」


「あぁ、今夜アポを取ってくれ」


「かしこまりました」


トントン


愛しい女が朝のコーヒーを持ってきた。


くるみ……明日からはベッドで一緒に朝

を迎えよう。


心で囁く。


甘い夜を夢見ていたのに…突然


「副社長、申し訳ございません。昨日、

お見合いをしているところを大和建設の

お嬢様に見られてしまいまして、ごまか

す事が出来ませんでした」


いま、なんて言ったんだ⁈


「(俺がいるのに)お見合いで(男と)会った

のか?」


甘いキスをして頬を染めて俺とのキスに

夢中だったじゃないか?


お見合いなんてしないと思っていたのに

……


「どうしてなんだ⁈」

目も合わせようとしない胡桃に苛立ち声

を荒げた。


「ごめんなさい。彼といるところを見ら

れて言い訳できなかったの」


そんなことを聞いているんじゃない。


俺以外の男なんて見ないでくれ……


俺じゃダメなのか?


こんなに胸が張り裂けそうなのに、お前

は俺じゃない男を選びのか⁈

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