悪い男〜嘘つきより愛を込めて〜
携帯も解約したのか彼女に会う手立てが

なくなりがく然とする。


彼女の同僚に聞いても実家の住所はわか

らないまま毎日が過ぎていくのに、俺は

諦めなかった。


彼女がいなくなって1ヶ月近く経つ。


俺は彼女の何を知っているんだ…


彼女の気持ちを無視して身体を求めた見

返りがこれなのか?


募る思いが増すばかりで、彼女のことを

考えない日はなかった。


そんなある日1本の電話がかかってきた


『副社長‥宮内さんのことで話がしたい

とおっしゃる男性からお電話ですが出ら

れますか?』


胡桃のことでだと…


すがる思いで電話に出る。


「もしもし…飛鳥 零ですが胡桃‥いや、

宮内さんのことで連絡を頂いたと聞いた

のですが、どういう内容でしょうか?」


『私は、金城といいます。宮内さんのお

見合い相手です』


なんだって‥どういうつもりだ。


「それで、俺になんのようだ?」


口調が荒くなるも知ったことじゃない。


『あなたは以前彼女の婚約者だっだと聞

いたのですが、もう過ぎたことでよろし

いですか⁈私は今日、彼女にプロポーズ

するつもりです。あなた以上に彼女を幸

せにできる自信があるのですが…ご報告

がてらあなたに牽制をかけておこうと思

いましてお電話させて頂きました』


こいつは俺に喧嘩を売ってやがる。


「フン‥俺以上だと‥笑わせる。あなたに

は悪いが胡桃を渡すつもりはない」


売り言葉に買い言葉だ。


本気で渡す気はない。


『では、あなたの本気を見せてください

。19時にグランドホテルの最上階レス

トランにいます』


プツンと切れた電話


向こうの奴は、なぜわざわざ報告と言っ

て連絡してきたんだ⁈


胡桃の心が俺に向いてないと自信がある

からなのか?


もしそうだとしても…

俺は、彼女を愛してる…


既に手遅れでも伝えたい言葉がある。


胡桃‥君に出会ったあの日から俺はお前

を愛していたんだ。


今度は愛を込めてプロポーズするよ。

この思いが伝わることを祈ろう…
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