ホルガリズム
■プロローグ
休日の朝はいつも思う。

僕はきっと、もっとナマケモノを見習った方が良い。


不自然なほど自然に覚めた目で携帯の画面を確認すると、デジタルな黒字はタイミングを見計らったように7時30分を表示させた。


その瞬間、携帯は僕の左手の中で、ヴィーンヴィーンと音をたて忙しなく振動を開始した。思わず溜め息が漏れる。アラームを解除する事さえ忘れていた。


今度の休日こそは、ナマケモノ先生を見習えますように。


降参してベッドから降りると、青空を切り取った白い雲が、カーテン越しに僕を見下ろしていた。
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