君をひたすら傷つけて
第一章

心の奥にあるもの

 幸せを抱きしめてみたい。そんな思いがないわけではない。私も普通の女の子と同じように恋をしたいと思ったりもする。そして、幸せに包まれ、幸せに抱きしめられたい。


 ふと交わした視線にドキドキしたり、急に胸が苦しくなったり。そんな狂おしくなるような恋を私は忘れない。この恋を忘れることはないから、私は二度と恋は出来ないのではないかと思う。


 それでもいいと思う私は間違っているでしょうか?


『そんなに決めつけないでいいだろ。もっと自分の幸せを考えろ』


 優しいあの人はそう言ってくれるけど、結局、不器用な私は悩むばかり。前に進むことが出来ない。一歩踏み出したつもりでも結局はその場に立ち止まったまま。


 恋というのは止まれないから『恋』。愛というのは心の奥底に潜む大事な思いだと教えてくれたのは…。私が今でも一番好きな人で、永遠に私の心に住み続ける人。一番心の奥にある一番大事なところにいる彼を思う度に神聖で優しい愛しさに包まれる。


 いつまでもオトナになれない私がいる。でも、この思いを捨てないといけないなら私はオトナになれなくてもいい。もちろん恋もする必要ない。



 でもそれは私の中では消えない思い。

 消したくない思い。


 心にある傷と生きていくと…。


 それしか私に残された道はなかった。不器用でも何でもいい。


 私は彼を心から愛していた。それは永遠に変わらない。



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